テニス肘とは?
テニス肘は肘の外側が痛くなる疾患で、特にラケット競技をやっている方に多く見られますが、スポーツをやっていない方にも見られます。
割と身近に見られる痛みですが、適切に治療しないとなかなか完治しないのも特徴です。
なかには安静にしていたら治ったという方もいらっしゃいますが、それは一時的に痛みが出なくなっただけで、例えば競技を再開したり数年後に再発するケースが非常に多く見られます。
それにはちゃんとした理由があるのですが、それはまた別のコラムでご紹介します。
テニス肘というのは俗称で正式には外側上顆炎(がいそくじょうかえん)と言い、肘の外側のでっぱりである外側上顆という部分に炎症が起こり痛みを引き起こすと一般的には言われています。
この部分には指や手首を曲げる筋肉が付着しているため、これらの筋肉を使いすぎると発症されるとされています。
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テニス肘の症状は?
テニス肘の症状は、炎症の起きている部分(肘の外側)の痛みや腫れ、熱感が起こり、そしてそれによって物を握りながら肘を曲げ伸ばししたり、重い物を持つ時に痛みが出てうまく動かせないなどの症状が出ます。
特にラケットスポーツの時に痛む事が多いですが、スポーツに限らず物を握ったり持ったりするような日常生活でも痛みはおこります。
ですのでペットボトルやカバンを持つ時、ドアノブを捻ったり、雑巾を絞る時、マウス操作やタイピング動作の時など日常のあらゆる場面で痛みが起こり得ます。
さらに重症になるとコップを持つのさえ辛くなったり、あまり酷使してない非利き腕の方も痛くなってしまうケースもあります。
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どんな人に起こるのか?
多く見られるのは40代以降で、それゆえ加齢が要因と言われる事もあるようです。
男女ともに起こり得ますが、筋力が弱い事や家事などで腕を使う事が多い事から40〜60代の女性に多いと言われています。
スポーツではテニスが多いですが、他にもゴルフ、バドミントン、卓球、クライミングをやられている方もよく発症します。
このように一般的には肘、手首、指の使いすぎによって炎症が起き、痛みが起こるとされています。
ですが臨床経験上、僕はこれは違うと感じています。
これはまた別のコラムで詳しくお伝えするつもりですが、肘の炎症部位やその周囲、あるいは手や指の筋肉に対して治療しても良くならないからです。
また逆に肘以外の部分を治療する事で、きれいに症状は取れてしまうからです。
ですので使いすぎや加齢というのはあくまでも「きっかけ」ではあるものの、「原因」は他にあります。
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テニス肘の一般的な治療方法
整形外科では、テニス肘の原因は使いすぎによる肘の外側上顆という部分の炎症にあると考えているため、治療もその炎症を抑える事だけにフォーカスしています。
ですので炎症を抑える消炎鎮痛剤やビタミン剤の服用、温熱療法、湿布などによる保存療法となります。
また使い過ぎによって起こると考えられているため、使わないように安静を指導されたり、サポーターやテーピングなどによって動かさないようにしたりできる限り負荷がかからないような指導を受けるかと思います。
しかし鎮痛剤などの保存療法はあくまでも対症療法で、それも効かない事がほとんどです。
安静や固定に関しては、確かに使わなければそのうちに痛みは消失していきます。炎症や過度な負荷が取り除かれるためです。
しかし日常生活やスポーツなどで再び負荷をかけた時にまた痛めてしまうケースが多く見られます。
次回のコラムでは整形外科以外のテニス肘の治療方法についてもお伝えしますが、それらの治療もこういった整形外科での治療も、結局は根本治療になっていないので痛みが取れなかったり再発を繰り返してしまうのが現状です。
では、どうすればいいのか?
それはまた別のコラムでたっぷりお伝えしたいと思いますので、ぜひそちらもご覧ください。
その前に次回のコラムでは、その他の治療方法についてご紹介したいと思います。
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