【筋膜の働きとは】
筋膜とは全身の筋肉を包んでいる膜です。
一つ一つの筋肉を包みつつも、それらが連結しているため全身が筋膜によって全てつながっています。
また体表面の筋肉だけでなく、内臓や目耳鼻の内部も筋膜で包まれていて、こちらも全ての内臓などを筋膜で連結しています。
筋膜には様々な機能がある事が分かっています。
①筋肉の張力(縮み具合・張り具合・引っ張る力)を感知し、筋肉が縮まったり伸びたりするタイミングや縮む量(出力の量)を調整している。
②痛みを感知するセンサーが埋め込まれていて、痛みを感じる機能がある。
③圧感覚、触覚、関節の動きや位置の感覚などのセンサーも埋め込まれていて、これらの刺激や情報を受け取る。
筋膜には主なところでもこのような機能があります。次に詳細をお伝えします。
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①筋肉の張力を感知
筋肉の張力を感知する事で筋肉が過剰に伸ばされたり縮んだりするのを防ぐ機能があります。
また関節を動かす時も、どの筋肉をどれくらいの量、縮ませるのか緩めさせるのか常に調整しながら関節は動かされます。
それらの感覚を感知しているのが筋紡錘(きんぼうすい)という装置であり、その機能に影響を与えているのが筋膜です。
そのため筋膜が硬くなり歪んでしまうと、この筋紡錘の機能が妨げられるため、筋肉の縮み具合を綿密に調整する事ができなくなってしまいます。
そうすると関節や筋肉のある部分に過剰な負荷がかかるようになり、痛みが生じてしまいます。
さらには筋肉によって動かされる骨や関節にもアンバランスな力が加わることになるため、骨格が歪んだり、悪い姿勢となってしまいます。
また筋肉の縮む量(出力の量)の調整が狂うと、筋力はあるはずなのに力が入りづらいといった症状も現れます。
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②痛みのセンサー
筋膜には痛みを感じるセンサーが埋め込まれていて、筋膜が正常な状態であれば痛みを感じる事はありません。
しかし筋膜が硬くなり歪んでしまうと、このセンサーが誤作動を起こし、筋肉や筋膜が傷ついたりしてないにも関わらず、痛みを発してしまいます。
これが慢性痛のメカニズムです。
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③その他の感覚センサー
圧感覚・触覚・関節の動きや位置の感覚などのセンサーも痛みのセンサーと同じように、筋膜が硬く歪んでしまうと誤作動を起こします。
特に関節の動きや位置の感覚が狂うと、入力情報が誤ってしまうため、出力も狂ってしまいます。
そのため特にスポーツでは、このようなわずかな感覚のズレがパフォーマンス低下につながってしまいます。
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