筋膜の硬さを引き起こすエピソードとは?
前回のコラム「痛みの原因である筋膜の硬さができるのは何故?「今」起きているテニス肘の原因となる5つの「過去」のエピソードとは?①」では、テニス肘の原因は筋膜にある事、そしてその筋膜が硬くなってしまう過去」のエピソードについて少しお伝えしました。
筋膜が硬くなってしまう「過去」のエピソードには大きく5つあります。
①骨折や怪我(外傷)
②手術の有無
③日常や趣味、仕事などで頻繁に行う動きはあるか?
④仕事や生活上で長時間取る姿勢はあるか?
⑤循環器、呼吸器など内臓の不調、目や鼻の問題などがあったかどうか?
今回のコラムでは引き続き②〜④の「過去」のエピソードについてお話ししていきます。
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②手術の有無
手術を行う時必ず筋膜を切開します。切開した筋膜は治癒過程で筋膜が変性したり癒着を引き起こしてしまいます。
そうすると本来の筋膜の機能が損なわれ、弾力性が無くなり硬くなってしまいます。
さらに手術によってはその部分を固定しなければならないこともあり、この時筋膜を動かすことができません。
前回のコラムでも紹介した通り、一定期間筋膜を動かすことが出来ないと硬くなってしまいます。
ですので「過去」の手術の有無も大事な項目になります。
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③日常や趣味、仕事などで頻繁に行う動きはあるか?
これらのエピソードも筋膜が硬くなる原因となります。
筋膜はギプスやサポーターなどによる固定した状態が続くと筋膜に硬さが生じるとお伝えしました。
しかし筋膜の厄介なところは、動かし過ぎても硬さが生じるところです。
日常生活や趣味、仕事などで強い負荷で繰り返し同じ動きをしていると、同じ部位を酷使してしまいます。するとそこでは乳酸が大量に産生されます。
乳酸は酸性なので周囲を酸性化させ、結果として筋膜の潤滑油であるヒアルロン酸を粘り気を増やしてしまいます。
ヒアルロン酸は筋膜の滑りを産み出すのに重要な成分なのですが、サラサラな状態であれば筋膜もスムーズに滑りその機能を発揮します。
しかし酸性状態だとネバネバして筋膜の滑りが悪くなり、硬くなってしまいます。
これが筋膜が硬くなって状態の一つです。
ですので使い過ぎ、特に強い負荷で繰り返し同じ動きをする状態が続くと筋膜の硬さを引き起こしてしまいます。
ここで注意しなければいけない事は、テニス肘の原因に使い過ぎがあると言っても、それはテニス肘の起こっている肘の部分の事ではありません。
確かに肘の使い過ぎによっても筋膜は硬くなるため痛みが生じますが、肘の使い過ぎによる炎症がテニス肘の原因となっているわけではありません。
あくまでも肘以外の部分が使い過ぎによって硬くなり、それが原因で全身の緊張のバランスが崩れ肘への負担を増やす結果、テニス肘が発症してしまうのです。
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④仕事や生活上で長時間取る姿勢はあるか?
仕事中や生活上で悪い姿勢を取り続けていると、筋膜の「不動」状態なり筋膜の硬さを引き起こす原因となります。
特に動かしたり伸ばす事なく同じ姿勢でいることは、ある種身体を固定しているのと似ています。
ですので例えばデスクワークでPC作業だったり、販売でヒールを履きながら立っている時間が長かったり、寝ている時に寝返りをほとんど打てなかったりなど、悪い姿勢が続く事で筋膜の硬さが引き起こされてしまいます。
もっと極端な話をすると、小さい頃は家庭や保育園で自由に動き回りながら遊んでいる(筋膜も伸ばされている)のに、小学校に上がった途端、身体のサイズに合わない机と椅子の前で長時間座りっぱなしを強制されます。
それでも放課後や休み時間に身体を動かして遊んでいるならまだしも、塾通いや受験のために更に机にかじりつかなければならない時間が増えると、どんどん筋膜は歪んでいってしまいます。
小中学生の肩こりや頭痛が増えているのも、身体を動かし筋膜を伸ばす機会が減っている事と大きな関連があります。
最近では既に小学生から筋膜の硬さが生じ始めているかもしれません。
さて今回のコラムでは、筋膜が硬くなってしまう5つの「過去」エピソードのうち、②〜④についてお伝えしました。
次回のコラムでは残りの⑤についてお話ししたいと思います。
東京世田谷区のテニス肘専門筋膜専門整体 三軒茶屋α整体院
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