アキレス腱炎を引き起こすとされている動き
一般的にアキレス腱炎を引き起こす動きとしては、繰り返しダッシュをしたり、長距離のランニング、ジャンプを繰り返すなどの動きで負荷がかかるとされています。
ですのでランナーなどの陸上競技やバレーボール、剣道などの選手に起こりやすいと言われています。
一般的にアキレス腱炎は足の裏を踏み返す動き、地面を蹴って爪先立ちになると言った、ふくらはぎの筋肉を酷使する事でその付着部周囲のアキレス腱に炎症が起こるとされています。
ですのでそのような動きを繰り返すスポーツ選手に多く見られます。
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筋膜整体から見たアキレス腱炎の原因
上記に挙げたような動きの繰り返しによって確かにアキレス腱に負荷はかかります。
しかしそれでも炎症が起きる人と起きない人がいます。
その差は何でしょうか?
それはアキレス腱に負荷がかかりやすい体質かどうか、という事が挙げられます。
実は全身は筋膜で全てつながっています。
そしてどこかの筋膜が硬くなると、筋膜の緊張バランスが崩れてしまいます。
そうすると身体がある部分に負荷がかかりやすい悪いバランスになってしまいます。
例えば腰の筋膜が硬くなる事で全身のバランスが崩れ、足首周りに負荷がかかりやすいような緊張バランスになってしまう事もあります。
それが人によっては首に来たり、腕に来る事もあります。
これが筋膜から見た体質であり、アキレス腱周囲に負荷がかかりやすい体質になってしまうと、アキレス腱炎を引き起こしやすくなります。
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筋膜バランスを崩す原因とは?
では何が起こると筋膜のバランスは崩れてしまうのでしょうか?
これは主に3つあります。
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①骨折、手術
これらはダイレクトに筋膜が損傷されるため、その治癒過程で癒着のように筋膜が硬くなってしまいます。
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②固定
これは骨折の時のギプスや、ケガをした時のサポーターなどの固定です。
筋膜は「動かさない」状態が続くと硬くなってしまいます。
もっと身近な事ですと仕事でずっと座りっぱなしになっていたりするのも「動かさない」状況になるため、一種の固定になります。
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③内臓の不調
これが一番イメージしづらい事かも知れません。
女性であれば生理痛で腰が痛くなる事はありませんか?
これがまさに内臓の不調が筋膜バランスを崩している現象なんです。
実は内臓にも筋膜があり、内臓の不調があると内臓筋膜が硬くなります。
内臓筋膜は身体の外側の筋肉についている筋膜と連結している関係で、内臓筋膜の硬さが筋肉筋膜のバランスを崩す事もあります。
先程の生理痛の例ですと、子宮の筋膜が硬くなるため、その筋膜と連結する体幹部分の筋膜バランスが崩れて、結果腰の痛みを引き起こしてしまうのです。
アキレス腱炎で内臓の不調が関わる場合、多く見られるのは胃腸の不調(下痢、便秘、胃もたれなど)、膀胱や前立腺の不調、子宮や卵巣の不調など主に下腹部の不調が影響する事が多いです。
こう言った事が今ではなく、「過去」にあった人は要注意です。
アキレス腱炎になりやすい体質かもしれません。
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治療の一例
この写真は治療の一例です。
場所は踵の外側で小さい靭帯の部分の筋膜をほぐしています。
ここで重要なのが、アキレス腱炎の症状でもアキレス腱自体には原因がないと言う事です。
この治療でも実際にはアキレス腱には触っておらず、周囲の筋膜で硬い部分を見つけ出してほぐしています。
このケースでは踵の外側の治療だけでも痛みが3割くらいになりました。
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