何をするかよりどこをやるかが重要
筋膜調整と言われても具体的にどんな治療をするのか分からないかと思います。
今回のコラムではどんな事をするのかお伝えしていきたいと思います。
筋膜と言うとストレッチやヨガ、筋膜ローラーなどの筋膜リリースのイメージがあるかもしれません。
もちろんそれらも有効な方法ですが、腱鞘炎の治療において最も重要なのは、どこの筋膜にアプローチするか?という事です。
原因となっている筋膜を見つけ出して、その筋膜を緩める事で身体のバランスが良くなり、手や指にかかっていた負荷が取り除かれ、腱鞘炎の痛みが解消されていきます。
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腱鞘炎治療に必要な問診の特徴とは?
筋膜調整では、どこの筋膜を治療するのか判断するために特徴的な問診と触診を行います。
今の腱鞘炎についてお聞きするのはもちろんですが、それよりも大事な事は過去のエピソードです。
筋膜というのは一度硬くなると長い月日をかけて徐々に全身に広がって行き、少しずつ身体のバランスを崩して行きます。
ですので原因となる筋膜がどこにあるか、その大元を探すには過去に何が身体に起こっていたかを知る必要があります。
特に筋膜の硬さに影響するのが
・骨折、手術
・捻挫や肉離れ、靭帯損傷などの怪我
・交通事故や転倒などの怪我
・肩や肘、首などの痛みや痺れ
・喘息や動悸など内臓の不調
・耳鳴り、難聴、めまい、眼精疲労、鼻詰まり、頭痛など顔や頭の不調
と言った事です。
過去にこのような事があったり今も続いているのであれば、その症状のある付近の筋膜を丁寧にチェックしていきます。
また怪我や痛みに関しては、特に首、肩、肘、胸、鎖骨、肩甲骨と言った部分に昔問題があった場合は、それぞれの部分をチェックしていきます。
例えば過去に肩を痛めていた時期があったとすると、肩周りの筋膜が硬くなっている可能性が高く、それが腱鞘炎に影響している事があります。
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腱鞘炎治療でチェックすべきポイントとは?
筋膜調整において最も重要な検査が触診になります。
問診で過去に怪我や骨折などのエピソードがあった部分から触診を始めていきます。
例えば過去に肩の痛みがあった場合、肩周辺のチェックをしていきます。
肩に関連する筋膜のポイントは10ヶ所あり、それらをチェックしていって、どこが一番硬いか、どこが一番痛いかを比較していきます。
次に肩と手を結んでいる肘の周辺をチェックしていきます。ここも同様に10ヶ所比較していきます。
このようにしてまずは硬くなっている「筋膜のライン」を見つけ、その後そのラインに沿って首、胸、背中、前腕など全てチェックしていき、どこが悪くなっているか確かめます。
トータルでだいたい20〜30ヶ所ほどポイントをチェックし、治療すべきポイントを探します。
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筋膜が硬いところはこんな反応?
筋膜が硬くなっているところは、触られるとびっくりするくらい痛いです。
そんなに強く押したり擦ったりしていないにも関わらず、すごい痛いです。
これは筋膜が硬くなると痛みのセンサーが誤作動を起こすので、本来なら「痛み」として感じない刺激(押したり擦ったり)でも痛みと感じてしまうためです。
つまりは過敏になってしまっている事になります。
また硬くなっている部分では、施術者として感じるのは「ザラザラ」した感覚です。
ザラザラしていて、かつ痛みに過敏な部分が問題となっている筋膜になります。
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治療ポイントは3〜5ヶ所
問診と触診を通して、悪くなっている筋膜をだいたい3〜5ヶ所に絞ります。
圧痛が強いところだけで考えるともっと数が多くなりますが、実際に腱鞘炎に影響を与えるところというのは圧痛+「ザラザラ」した部分であるため、だいたい3〜5ヶ所くらいになります。
ですので治療もこの3〜5ヶ所を行っていきますが、実際は1ヶ所緩めると他の部分も緩む事もあるので、治療するポイントはもっと減る事もあります。
詳しい治療方法についてはまた後日コラムにしていきたいと思いますので、ぜひそちらもご覧下さい。
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