デスクワーカーに多い腰痛
当院に腰痛として来られる方で多いのは圧倒的にデスクワークの方です。
スポーツや肉体労働の方が多いイメージがあるかもしれませんが、意外と少ないんです。
と言うのも腰痛は動かさない事で起こるからなんです。
(スポーツなどで腰に衝撃がかかって起こるヘルニアなどは別です。これはケガなので適切な処置が必要です)
毎日同じ姿勢が長時間続くようですと、腰回りから股関節、お腹周りの筋膜が固まってしまいます。
そして筋膜は固まってしまうと痛みを引き起こす事が分かっています。
なのでこの固まった筋膜をほぐさないと腰痛は良くなっていきません。
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腰痛の原因は腰にはない!?
腰痛の改善で一番重要な事は、痛みが出ているところには原因がない、と言う事です。
人は感覚的に痛いところが悪いと感じてしまいます。
確かに痛い部分を押すと楽に感じたり痛みが和らぐような感覚になります。
しかし多くの原因はその部分にはなく、離れた場所にあります。
なぜ今の痛みの原因が離れた部分にあるのか?
それは筋膜が全身で連結しているためです。
筋膜が部分的に固まると、全身の引っ張る力(張力)のバランスが崩れます。
そうすると腰回りの筋膜が異常に引っ張られ硬くなるため、痛みを生じます。
例えば良く見られるのは、足首、股関節周り、腹筋などの筋膜が硬くなっている事で、脚や胴体の筋膜が引っ張られます。
すると最終的に腰回りの筋膜を引っ張って、腰回りの筋膜を硬くしてしまいます。
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昔の骨折や捻挫がのちのち腰痛になります
こうした場合いくら腰周りの筋膜を緩めても、もともとの原因部分が固まったままですと、腰回りの引っ張られる状況は変わらず、また硬くなって痛みが出てしまいます。
先程の例で言えば、足首周り、股関節、腹筋などにある固まった筋膜をほぐさないと腰痛が変わって来ません。
ですので腰痛の筋膜調整では腰よりも脚やお腹周りを重点的にチェックします。
特に足首の捻挫、股関節を痛めていた、お腹の手術をした事がある、と言った経験がある方は要チェックです。
なぜなら筋膜が固まる原因に、固定というのがあります。
これはどういう事かと言うと、骨折や捻挫などで関節部分を固定する事があると思います。
1週間程度なら問題ありませんが、3〜4週間固定しているとその周囲の筋膜は固まってしまいます。
その固まった筋膜が長い年月をかけて少しずつ足元から体のバランスを崩していき、最終的に腰周りの筋膜を固めてしまいます。
この説明を患者さんにするとだいたい「えっそんなとこが原因なんですか?」とか「もうかなり前の事ですよ?」と言ったリアクションが返ってきます。
それもそうですよね。まさか何年も前のケガが、しかも脚とかなのに、それが原因だとは思わないですよね。
でも例えば実際に足首周りをチェックして硬くなった筋膜をほぐして腰を動かしてもらうと、痛みが変わってるのに気づいてもらえます。
そこで初めて「本当に足首が原因だったんですねー」となります。
同じ様にデスクワークも一種の筋膜の固定です。
1日何時間も座りっぱなしと言うのは筋膜にとっては好ましくありません。
特に股関節周りの筋膜はこのような状況が続くと固まりやすいです。
そこから腰に来て腰痛が起こります。
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お腹の手術も腰痛の原因になります
手術は固定とは少し違います。
これは直接的に筋膜を切開するため、そこが治癒する過程で筋膜が硬くなってしまいます。
傷跡が残るのと同じ感じですね。
特に多いのは子宮の疾患や盲腸の手術ですね。
今は内視鏡手術も発達して術痕も小さいですが、それでも筋膜を切開しているので、影響は出てきます。
この場合手術した部分の筋膜が固まる事でゆくゆくは腰の筋膜を固めてしまいます。
これらは腰痛の原因となる筋膜の一部ですが、多くはこのように足首、股関節、お腹が原因となります。