腱鞘炎になった人の治療経過のパターン
当院では5年以上腱鞘炎の施術に特化してやってきましたが、多くの方に共通する事が少しずつではありますが分かって来たので、今回は皆さんに少しでも腱鞘炎の理解が深まっていただけたらと思います。
まず腱鞘炎になったら多くの方が整形外科に行くと思います。
整形外科ではサポーターなど使ってなるべく使わないように言われたり、ひどい時は局所にステロイド注射をしたりします。
指なだけになかなか安静にする事は出来ないと思うので、だいたいが我慢するか、思い切って注射してもらうかだと思います。
このステロイド注射がなかなか強力で、その場で痛みが取れてしまう事がほとんどなんです。
しかも1〜2ヶ月は痛みなく過ごせます。
根本的な治療ではないものの、ちょっと注射打っただけで1〜2ヶ月痛みから解放されるので、患者さんにとっては救世主になると思います。
ただステロイド注射にも問題があって、まず回数を重ねるごとに効きが悪くなってしまう、と言う事です。
痛みがない期間が段々短くなっていったり、痛みの取れ具合が悪くなってったりしていきます。
また腱の部分に打つため、腱や腱の周囲が徐々に傷んでいくリスクがあるため、回数制限があるのも問題です。
腱鞘炎は基本的に根本的な治療を行わないと、常に再発するリスクが生まれます。
なので確かにステロイド注射を打つとすごい楽になるのですが、それだけに依存してしまうといつか注射ができなくなって、手立てがなくなってしまいます。
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腱鞘炎の原因となる部位とは?
そう言う背景もあって腱鞘炎の治療には根本的な治療がいつか必要になってきます。
世の中には色々な治療法があるので、一人一人合う治療も違うかと思います。
ただ当院では筋膜整体によって多くの腱鞘炎の痛みにアプローチしてきた結果、根本的な改善につながってきました。
その経験の中で腱鞘炎の原因となっている部分にもパターンがある事が分かってきています。
以前のコラムにも載せましたが、多くのケースで肘、手首、胸周りに問題があります。
その辺りを緩めていくと初回でも腱鞘炎に対して何らかの変化が出てきます。
もちろん1回で治る事は難しいですが、施術を重ねていくうちに段々と痛みが解消されていきます。
腱鞘炎になりやすい人の特徴とは?
腱鞘炎になりやすい人の特徴にも共通点があります。
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①過去に肩、肘の痛みがあった方
まず多いのが過去に肩、肘が痛かった事のある方です。
例えばテニス肘や五十肩などです。
アレルギーがアトピー→喘息→花粉症と進んでいくかのように、肩→腱鞘炎や肘→腱鞘炎となる事がよく見られます。
なので問診では必ず肩や肘の痛みが過去にあったかどうか確認しています。
意外に痛みがあった方が多いんです。
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②猫背、巻き肩
他には猫背や巻き肩の人がなりやすい傾向にあります。
産後に腱鞘炎になりやすいのはホルモンの影響とされていますが、実際は頻繁な抱っこで巻き肩になっているのが影響します。
またパソコンやスマホの影響で猫背になっているのも腱鞘炎の原因になります。
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③体の歪みがある
②のような猫背などがなくても、肩や首、胸椎の動きを確認してみると、可動域が全然狭かったりする事が多いです。
これは筋肉が硬いのではなく全身の歪みがあるために可動域が狭くなっています。
歪んだ状態だと指への負担が人より増えてしまうため、腱鞘炎のリスクになります。
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改善症例
どのような痛みだったか?
【現在の痛み】
右親指から手首付近の痛み
【来院理由】
仕事でタイピングする時やマウスを動かす時、スマホをいじる時に痛みが出ていた。
何回かステロイド注射をしてもらいその時はよくなるが、また再発してしまい注射が怖くなったので、他の方法がないかと調べてご来院。
【過去の既往歴】
四十肩(リハビリなどで半年くらいで改善)
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施術内容
①肘の外側
親指を伸ばした時の痛みが軽減(10→5)
②手首の外側
さらに伸ばした時の痛みが減った(5→3)。局所の圧痛もかなり減った(10→3)。
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初回でもこれだけ痛みが減少しました。その後5回ほど施術を行なって痛みが消失。
この方は典型的な腱鞘炎のパターンでした。
肩の痛みが過去にあったり、肘・手首に原因があってそこの筋膜を緩めると痛みが軽減したり。
個人差はもちろんありますが、初回の施術だけでも痛みをこれだけ軽減出来るのが【筋膜整体】の良いところです。
これまで再発を繰り返したり、痛みが変わらない腱鞘炎でお困りでしたら、一度筋膜へアプローチすると、痛みが変わる可能性があります。
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執筆者
三軒茶屋α整体院 院長
山﨑 智史(やまざき さとし)
保有資格
理学療法士・鍼灸マッサージ師
講習会参加歴
・筋膜マニピュレーション国際コース 全コース修了(延200時間以上)
・疲労回復整体
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