腱鞘炎を再発させない方法とは?
筋膜の歪みを解消する事で腱鞘炎は解消する事が出来ます。そしてすぐに再発してしまったり、少し負荷をかけたら戻ってしまったりする事もありません。
しかしそれでも筋膜にずっと負荷がかかる状況だったり、栄養が不足していたり、内臓の不調が続いたままだったりするといつの日かまた腱鞘炎が起こってしまう可能性があります。
逆に言えば、これらの状況を継続的に改善していく事で、長い時間が経っても再発する事がほとんど無くなります。
そこで今回からのコラムでは、筋膜調整によって腱鞘炎が解消された後に、長い期間において再発しない身体作り(セルフケア)についてお伝えしていきます。
しかもこの内容は、腱鞘炎の再発予防に限りません。
筋膜は一定の繋がりがあり、筋膜の歪みもそれにそって広がっていきます。
ですので腱鞘炎に限らず、その繋がりの上にある肩や肘の痛み、頚部痛、頭痛やめまいなどの予防にも有効てす。
主なセルフケアは以下の3つです。
①ストレッチ・セルフマッサージ
②栄養補給
③内臓不調の改善
です。
これらについて一つずつご説明していきます。
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ストレッチ・セルフマッサージ
筋膜の歪みというのはいくつかの要因によって引き起こされます。
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①不動(身体を動かさない)
その一つが「不動」です。不動とは文字通り筋膜を動かさない事で固めてしまうことです。
筋膜を伸ばす機会が少ない状況で起こります。
例えば仕事や日常の生活で不良姿勢が続いていると、筋膜が伸張されずコラーゲンやエラスチンと言った線維が詰まってきます(筋膜の高密度化)。
すると線維の隙間にある水分が飛んでしまい(基質のゲル化)、筋膜の本来の滑りが失われてしまいます。
こう言った状態になるのを予防するためにストレッチを行う必要があります。
こういう方も多いかと思いますが、長時間デスクの前で座りっぱなしだと、首から胸、肩甲帯から手の前側の部分の筋膜が不動状態になりやすいです。
いわゆる猫背姿勢ですね。
こういう方は腱鞘炎の再発予防に普段からストレッチが必要となります。
本来は個人個人によってストレッチすべき部位が異なるので、一度診させて頂くのがベストです。
ですが、セルフケア用のストレッチ(正確には筋膜リリース)のやり方が載っているオススメの本があります。
それが
「自分でできる!筋膜リリースパーフェクトガイド」著 竹井 仁 自由国民社
です。
これは日本における筋膜調整の第一人者であり、私が行なっている筋膜調整法を日本で教えていらっしゃる、理学療法士である竹井仁先生の著書です。
一般向けに書かれているのでとても分かりやすく、簡単にできる内容になっているので、ぜひご覧ください。
またストレッチだけでなく、セルフマッサージも有効です。
特に腱鞘炎の原因となっていた部分の筋膜の歪みは、普段からそこに歪みが出来やすい状況である事が多いので、ストレッチだけでなく、セルフマッサージも必要です。
これは筋膜調整後に、どこにどのようにすれば良いのかをご指導致します。
一つ注意点があり、この「不動」については例えば肩から腕、手などに怪我をしたり骨折したりして、サポーターやギプスで長期間固定をした場合でも不動状態になります。
この状況は筋膜の歪みが最も起こりやすく、筋膜の歪みも強く広範囲に渡ってしまう場合があります。
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ですのでこのような方はセルフケアの前に、一度筋膜調整をして解消した方がいいです。
そして筋膜の歪みが一旦解消された後、再度発生しないようにストレッチやマッサージをする、という方がいいです。
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②過用
さて、筋膜の歪みが起こる一つの要因として過用があります。いわゆる使い過ぎです。
スポーツや日常で繰り返し同じ動作を行なったり、負荷をかけたりすると、そこに乳酸が蓄積しpHが低下します(酸性に傾く)。
筋膜は線維層が3層あり、その間にそれぞれヒアルロン酸の層が存在し、線維間の滑りを助け、筋膜が滑らかに動くようにしています。
しかし乳酸が蓄積しpHが低下すると、このヒアルロン酸の粘り気が増し、滑りが悪くなってしまいます。
ですのでストレッチやセルフマッサージで、この乳酸を分散させたり、ヒアルロン酸の粘り気をなくすようにしてあげると、筋膜の歪みが起こりにくくなります。
これも筋膜調整後にどこをどのようにすれば良いのかをご指導致します。
乳酸が蓄積しないようにする方法は、また別のコラムでお伝えしたいと思います。
さて今回は腱鞘炎の予防策として、ストレッチとマッサージのセルフケアについてお伝えしてきました。
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執筆者
三軒茶屋α整体院 院長
山﨑 智史(やまざき さとし)
保有資格
理学療法士・鍼灸マッサージ師
講習会参加歴
・筋膜マニピュレーション国際コース 全コース修了(延200時間以上)
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