筋膜の構成要素であるタンパク質
筋膜の歪みを治療によって解消しても、身体に負担をかけ続ければまた筋膜の歪みが形成されてしまいます。
その予防策をここ数回に渡ってお伝えしています。
今日はそのうちの一つである栄養補給のうち、タンパク質についてお伝えしていきたいと思います。
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⑤タンパク質
タンパク質は人体を構成する重要な成分です。細胞や各種組織は基本的にはタンパク質からできています(もちろんタンパク質だけではありませんが、多くの部分を占めます)。
細胞や組織は絶えず分解と新生を繰り返していて、古くなったものを新しいものに変えていっています。これが新陳代謝ですね。
新陳代謝をスムーズに行うには色々な要因がありますが、そもそもの材料が無いと進みません。
その材料の一つがタンパク質です。
筋膜の材料もタンパク質です。
筋膜は3層構造になっていますが、その層はコラーゲンやエラスチンで出来た線維層です。
これらの線維がまさにタンパク質から出来ています。
また3層の層の間にはヒアルロン酸の層があり、筋膜の滑りを保障する役割があります。
このヒアルロン酸はムコ多糖類という物質に分類されます。
これは糖とタンパク質が結合した物質です。
ですので厳密に言うとヒアルロン酸の全てがタンパク質という訳ではないのですが、構成要素にタンパク質も含まれています。
筋膜も他の細胞や組織と同じように古くなったら分解され、新しいものに取り替えられます。
また筋膜の歪みを解消する筋膜調整法は、歪みを取るだけでなく、筋膜に炎症を起こして新しい組織に変わるように促す作用もあります。
このように筋膜の再生にはタンパク質が必要になります。
しかしこの時タンパク質不足があると、炎症が起きても充分な筋膜の再生が出来ず、完全に取り切る事が出来ない可能性があります。
また古い筋膜のままでは、機能障害が起こり筋膜の歪みを引き起こします。
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どれくらいタンパク質を取ればいいのか?
タンパク質の1日の必要量は、体重の1/1000です。
つまり50kgの人なら50g、70kgの人なら70gが必要という事になります。
これを食事だけで取るのは難しいです。
なぜなら食材のタンパク質含有量は含有量が多く吸収率の良い動物性タンパク質でも、卵1個で7g、豚肉200gで24g、牛肉200gで30g、マグロ100gで20g程度です。
また大豆食品などの植物性タンパク質は動物性タンパク質に比べて吸収されずらく含有量も少ないため、より大量に摂らなくてはなりません。
しかも毎日摂取し続けなければなりません。
特に女性は毎月の月経でタンパク質も喪失しているため、体重の1/1000の1.2〜1.5倍が必要です。
こう言った事を考慮すると、タンパク質は食事だけでなくプロテインを摂取して補う方が良いと思います。
必要量の半分を食事で、もう半分をプロテインでという感じです。
プロテインの難点は、価格が高い事、そのままで飲むと美味しくないというのがあります。
プレーン味の方が余計な物が入っていなくて良いのですが、飲みづらいので野菜や果物を絞ったジュースなどに混ぜてもいいかもしれません。
私は味のあるプロテインにしています。
価格は確かに高いのですが、タンパク質を必要量摂る事は筋膜への影響だけでなく、身体や精神面など全身の状態を改善するのにも役立ちます。
そう言った事を加味すると決して高くはないと思います。
その辺りの判断はお任せしますが、、、
また高ければ良いというものでも無い所が、選ぶ時の難しさでもあるのですが、ひとまずタンパク質含有量が多いものだけではなく、「アミノ酸スコア100」というバランスの取れたプロテインが良いと思います。
アミノ酸スコアとは9つの必須アミノ酸の含有比率を指し、これが100に近いほど9種類の必須アミノ酸がバランスよく入っており、体内でのタンパク質合成も充分に行えるという事を表しています。
このようにプロテインに関してはそれこそ多くの種類が販売されていて、分類も様々あるので選ぶのが難しいかと思いますので、私が摂取しているプロテインを紹介します。
「アルプロン ホエイプロテイン100(ココアミルク味)」です。
これはタンパク質の含有量は他の種類のプロテインに比べて少ないのですが、価格は安い方です。
また味も飲みやすいものとなっています。
うちでは私と妻2人ともこれを毎日飲んでいます。
ご参考までに、、、
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執筆者
三軒茶屋α整体院 院長
山﨑 智史(やまざき さとし)
保有資格
理学療法士・鍼灸マッサージ師
講習会参加歴
・筋膜マニピュレーション国際コース 全コース修了(延200時間以上)
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