ビタミンCの必要性とは?
筋膜整体によって腱鞘炎が解消されたとしても、筋膜に負担のかかる状態が続けばいずれ再発してしまいます。
今回はその予防法としてビタミンCの必要性についてお伝えしていきます。
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⑥ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンを作る際に必要となる栄養素です。
筋膜はコラーゲン線維やエラスチン線維といったものから出来ています。
筋膜調整の治療でも炎症を引き起こし、新しいコラーゲン線維に置き換えていく必要があります。
また普段も新陳代謝によって常に新しい組織と入れ替わっています。
しかしこの時に材料が不足していると、新しく組織を入れ替える事が出来ません。
つまり古くて機能がイマイチの組織を使いづけなければならないという事です。
コラーゲンそのものの材料は前回お伝えしたタンパク質になります。
そしてビタミンCはコラーゲンを合成する時、コラーゲンの素をつなぎ合わせるのに必要となってくる栄養素です。
ビタミンCがお肌に良いというのを聞いた事がある方もいらっしゃるかもしれません。
これは皮膚の細胞を埋めたり皮下に存在するコラーゲンを合成する時にビタミンCが必要だからです。
そのためビタミンCが充分に足りていると、お肌のキメや弾力が回復するというメカニズムです。
筋膜も同じ原理です。
筋膜のコラーゲン線維を合成するのにビタミンCが必要となり、これらが不足すると古く硬くなった筋膜を置き換える事が出来ません。
そのために筋膜の歪みが形成されていってしまうのです。
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どのくらいのビタミンCが必要か?
ビタミンCの一日の必要量は100mgとなっていますが、他の栄養素と同様にこれでは全く足りません。
これは大航海時代に流行した壊血病という病気にならないための最低限の必要量です。
普通の方でも2000〜3000mg/日が必要です。
特に体調が悪かったりストレスが強い人はもっと必要で9000〜12000mgくらいまでは摂る必要があります。
とても食事からはこの量を摂る事は出来ません。
ですのでサプリメントで積極的に補給する方が良いと思います。
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ただしビタミンC補給に関してはいくつか注意点があります。
まず糖質(炭水化物)摂取が多い方だと、ビタミンCが吸収されづらいという点です。
ビタミンCは糖質(グルコース)と構造が似ています。
そのためビタミンCより糖質の方が優先的に腸管から吸収されるので、糖質摂取するとビタミンCが吸収されにくくなります。
ですので低糖質・高タンパクの食事を併用しないと効果が薄いです。
もう一つは、ビタミンCを最初から大量に摂ると、腸内細菌が活発になり過ぎてガスが溜まってお腹が張ったり、下痢になってしまう事があります。
ですので摂取する時はまずは少なめに摂取し始めて、腹痛や下痢が出ないようだったら少しずつ増量していくのが良いと思います。
もう一点、ビタミンCは水溶性なので体内に留まる事が出来ず尿として排泄されてしまいます。
ですので一気に大量に摂取するのではなく、2〜3時間毎に摂るようにした方がいいです。
参考までに私は、「Now Foods社 C-1000」というアメリカのサプリメントを、2〜3時間毎に1錠ずつ、合計6000〜9000mg/日を摂取しています。
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執筆者
三軒茶屋α整体院 院長
山﨑 智史(やまざき さとし)
保有資格
理学療法士・鍼灸マッサージ師
講習会参加歴
・筋膜マニピュレーション国際コース 全コース修了(延200時間以上)
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