鵞足炎とは?
鵞足炎とは膝の内側の痛みの一種で、膝関節の少し下にある「鵞足」と呼ばれる部分に痛みが起こる症状です。
鵞足とは膝の動きに関与する3つの筋肉が集まって骨にくっついている部分です。
ですので負担がかかりやすい部分とも言えます。
鵞足炎は一般的にはランニングで起こりやすいとされていますが、クラシックバレエや水泳の平泳ぎなど開脚して屈伸を繰り返す動きでも起こりやすいです。
ですので屈伸時やランニング時に痛みを感じる事が多く、ひどくなると日常的な歩行やしゃがみなどでも痛みが出てきます。
また患部が腫れて圧痛が出る場合もあります。
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一般的な鵞足炎の治療とは?
鵞足炎は整形外科的には使い過ぎによる炎症のために痛みが起こっていると考えています。
そのため第一の治療は「安静」となります。
安静にして使わなければ炎症が治って痛みが引く、と言う事です。
しかしそれで治るのは本当に軽症な場合だけで、実際多くはランニングなどのスポーツを再開するとまた痛みが出てきてしまいます。
同様に痛み止めの薬やアイシングも対症療法なので、炎症は軽くなり痛みは減るかもしれませんが、根本的な解決にはつながっていません。
その次の治療段階としてストレッチやマッサージが挙げられます。リハビリですね。
鵞足は薄筋(はっきん)、縫工筋(ほうこうきん)、半腱様筋(はんけんようきん)と言う3つの筋肉が収束する部分であるため、これらの筋肉のストレッチやマッサージを行い、柔軟性を高める事で鵞足の負担を減らすというものです。
ストレッチは悪くはないのですが、いくつか問題点があります。
まず硬くなり過ぎた筋肉はストレッチではうまく伸びずに、効果が出るまで時間がかかります。
また鵞足炎の痛みの原因がこれらの筋肉にない事もあるため、いくらこれらの筋肉をマッサージやストレッチで緩めても一時的な効果しか出ない事があります。
そう言った意味で、軽症だったり単純な鵞足炎ならストレッチやマッサージは有効な場合がありますが、それでは解消されない場合も多い、と言うことです。
最後に挙げられるのは、フォーム等の改善です。
例えば膝が内側に入りやすくなっていたら、その原因が股関節の筋力低下や足関節のアライメントの崩れなどにあるとしたら、それぞれ原因となっている筋肉を強化したり、インソールを使ってフォームを修正していく事があります。
これは結構有効な方法ですが、全身のバランスを見ないと、別のところを痛めるリスクがあります。
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筋膜整体は根本的な解決につながります
基本的にはよっぽど専門のトレーナーをつけない限りは整形外科などでの治療では鵞足炎の改善は難しいと思います。
もちろんもう競技を引退するのであれば別ですが、競技を再開したい、痛みを気にする事なくベストなパフォーマンスを発揮したいと言う方がほとんどだと思います。
そのような方にとって鵞足炎を根本的に解消する方法があります。
それが筋膜整体になります。
筋膜整体ってどんな事をするの?と思われると思いますが、簡単に言うと全身の筋膜の緊張のバランスを適正化する、と言う事です。
ちょっと分かりづらいと思うので例を出しますと
シャツの裾を掴んで下へ引っ張ったまま肩を上げようとすると引っ張られて上がらないと思います。
この状態で何度も肩を上げ下げしていると肩が痛くなっていきます。
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これが鵞足炎にも当てはまり、シャツが筋膜、引っ張っている部分が硬くなった筋膜の部分、そして肩に当たるのが鵞足部分という事になります。
どこかに硬くなった筋膜があるせいで、筋膜のバランスが崩れ鵞足を引っ張るようなバランスになってしまいます。
その状態で膝を使っているとやがて鵞足に炎症が起き、痛みが出てきてしまいます。
この引っ張っている筋膜が前述した3つの筋肉にあればそこの筋膜を緩めれば、鵞足炎が解消されていきます。
問題はその3つの筋肉上の筋膜ではないところの筋膜が硬いせいで鵞足に負荷がかかっている場合です。
足にある事もあれば股関節周りにある事もありますし、時には全然関係なさそうな肋骨部分などにある事もあります。
どこにあるか分からない硬くなった筋膜、そしねバランスを崩して鵞足を引っ張り負荷をかけている大元の筋膜、それを探し出して緩めて行くのが筋膜整体です。
このように筋膜整体は根本的な原因を解消していくため、例え競技を再開しても鵞足炎の痛みを再発する事なくプレーする事ができます。
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執筆者
三軒茶屋α整体院 院長
山﨑 智史(やまざき さとし)
保有資格
理学療法士・鍼灸マッサージ師
講習会参加歴
・筋膜マニピュレーション国際コース 全コース修了(延300時間以上)
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