外反母趾とは?
外反母趾とは足の親指の部分が小指側に変形する事で痛みを始めとした様々な症状が出る病気です。
最も多い症状は関節部分や出っぱった部分の痛みです。歩いていて痛みが出たり、靴を履く時に痛みが出たりする事が多いです。
その他に親指のしびれや爪トラブル、また痛みを避けるように体重のかけ方や歩き方の変化によって膝や股関節の痛みの原因にもなったりします。
ただ必ずしも変形があるからと言って痛みがあるわけではなく、逆に変形が軽度だとしても痛みが強い場合もあります。
整形外科では外反母趾の原因として靴を挙げています。
幅の狭い靴やヒールを履く事で関節の変形が起きてくるとしています。
またもともと扁平足だとなりやすいとも言われています。
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整形外科での治療と問題点
まず保存療法としては患部が当たらないようにパッドを当てて痛みを軽減したり、インソールによって足のアーチを補正する事で変形を減らしていくような事が行われます。
また足裏のマッサージや足のリハビリ(指の運動やストレッチなど)などを指導される事もあります。
これらは軽度の場合でしたら効果があるようで、痛みが軽減するようです。
ただしある程度変形や痛みが強い場合には効果がない、あるいは悪化させてしまう事もあります。
実際に合わないインソールで痛みが強くなったり、リハビリを頑張り過ぎて痛みが強くなったりした方が当院には来られています。
また重度の場合は手術と言う選択肢もあります。
骨を切り取るのがメジャーですが、最近では痛みを長引かせている原因であるモヤモヤ血管に対してアプローチする事で、痛みを改善すると言う方法もあります。
手術の問題点は、根本的なアプローチではない、と言う点です。
もちろん変形によって痛みが出ている事もあるのでそれは手術によって軽減する可能性がありますが、そもそも変形と痛みの関連が大きくない場合、手術しても再発する事があります。
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筋膜から見た外反母趾の原因
整形外科での治療で外反母趾による痛みが改善された方は良いのですが、問題はそれでは良くならない、あるいはどんどん悪くなって来ている方です。
そのような場合、痛みの原因は外反母趾の変形にはありません。
もちろん変形はしているでしょうし、痛みもあるでしょうが、それらに因果関係があるとは限りません。
当院にもそのような方が多くいらっしゃっていて、実際に筋膜整体によって改善していく方が多いです。
なぜなら痛みの原因は変形にではなく、筋膜のアンバランスによるものだからです。
筋膜が硬くなったりバランスが崩れると、親指の部分にかかる負荷が増えて、痛みを引き起こしてしまいます。
分かりづらいと思いますので一つ例を挙げると
シャツの裾を掴んで下へ引っ張ったまま肩を上げようとすると引っ張られて上がらないと思います。
この状態で何度も肩を上げ下げしていると肩が痛くなっていきます。
この例で言うシャツが筋膜、掴んでいるところが硬くなった筋膜、肩が外反母趾の部分に当たります。
つまり外反母趾の部分ではないどこかの筋膜が硬くなる事で、外反母趾の部分に負荷がかかるような状態になっている結果、母趾に痛みが出てきている、と言うのが筋膜からまた外反母趾の原因です。
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外反母趾の筋膜整体
筋膜整体では、外反母趾に限った事ではありませんが、上述にあるように硬くなった筋膜が原因ですので、それを探して見つけて緩めていく、と言うのが治療の原則になります。
当院では外反母趾に対する筋膜整体を行なっていて、これまでに改善実績も多数あります。
しかしこれまで多く見てきた中でも、外反母趾だからここの筋膜が硬いという法則がなく、足周りにある人もいれば、膝周りや股関節周りの筋膜の調整によって改善した方もいらっしゃいます。
ですので、外反母趾だからと言って決めつけずに、広い範囲の筋膜を細かくチェックしていき、一つずつ緩めていきます。
詳しくはまた別のコラムでお伝えしたいと思います。
多くの整体や整骨院では外反母趾だからココが悪いと決めつけて治療するため、当てはまらない時に治らないものです。
そう言った方は是非一度、筋膜整体を受けてみて下さい。
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執筆者
三軒茶屋α整体院 院長
山﨑 智史(やまざき さとし)
保有資格
理学療法士・鍼灸マッサージ師
講習会参加歴
・筋膜マニピュレーション国際コース 全コース修了(延300時間以上)
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