腱鞘炎とは?
腱鞘炎とは指の付け根や手首が痛くなる病気で、1度はそういう痛みを経験した方も多いのではないでしょうか?
割と身近な痛みですが、本来はなかなか完治しない厄介な疾患です。
と言うのも痛みが自然と無くなったり、整形外科での治療で良くなったりは割とよく起こります。
ですがすぐに再発したり、整形外科での治療を受けてないと戻ってしまう方も多いんです。
これは治ったように見えて実は治ってなくて、一時的に他の部分の痛みが出てきたりする事で、腱鞘炎自体は「良くなった」ように感じてしまいます。
この事についてはちょっと筋膜の説明も必要なので詳しくは別のコラムでお伝えしますが、臨床ではよく遭遇します。
腱鞘炎とは腱鞘という部分に炎症が起こるために痛みが起こると一般的には言われています。
腱鞘というのは手首や指の付け根にある腱を包んでいるトンネルのような組織です。
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腱鞘炎の症状とは?
腱鞘炎の症状は、炎症の起きている部分の痛みや腫れ、熱感、そしてそれに伴う機能障害(動かせない、痛みで使えないなど)です。
安静時に痛みがある事は少ないですが、重だるさを常に感じる事は良くあります。
また物を持ったり、握ったり、指を使う時に痛みます。
具体的には、パソコンのキーボードやスマホを操作する時、子供を抱っこする時、重いフライパンを持つ時、包丁を使う時、ペットボトルを持ったりふたを開ける時、雑巾を絞る時など、日常のあらゆる場面で、しかもちょっとした動作の度に痛みを感じる事が多く、それがとても不快に感じている方が多いです。
また手首に起こる腱鞘炎のケースでは、手のひらを着いたりすると痛む事もあります。
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どんな人に起こりやすいのか?
一般的には更年期の女性や妊娠出産期の女性に多く起こるとされています。
これはホルモンバランスの変化によって腱鞘が縮まる事でトンネルが狭くなる事、
また腱の柔軟性が低下するために摩擦が増える事、
そのような状態で使い過ぎると炎症が起こりやすくなる、とされています。
またテニスやバドミントンなどラケットスポーツにおいても手首などの腱鞘炎が多く見られます。
これは使い過ぎや使い方(フォームが悪いなど)によって起こると言われます。
ですが臨床経験上、僕はこれは違うと感じています。
なぜならホルモンバランスは変わってないけど改善したり、今まで通りにプレーしてても痛みが無くなったりしているからです。
詳しくは別のコラムに書こうと思いますが、そもそもの原因がホルモンやフォーム、使い過ぎではないため、そこが変わらなくても良くなっていきます。
また腱や腱鞘の部分にアプローチしなくても良くなります。
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腱鞘炎の一般的な治療法
整形外科では腱鞘炎の原因は腱や腱鞘の炎症にあると考えているため、治療も腱や腱鞘にしか行いません。
ですので消炎鎮痛剤やビタミン剤の服用、温熱療法、湿布などによる保存療法となります。
また使い過ぎによって起こると考えられているため、安静にするように指導されたり、サポーターやテーピング、装具などによって動かさないようにしたりします。
これらの治療に効果がない場合、手術となる事もあります。
しかし鎮痛剤などはあくまでも起きている炎症を抑えるための治療であり、炎症が起きている原因へのアプローチができません。
しかもあまり効果がない事が多いようです。
また安静に関しては、確かに使わなければそのうちに炎症がおさまり痛みは消失していきます。
しかしこれも炎症が治っただけで、炎症の原因にアプローチしなければ、再び負荷をかけた時にまた痛めてしまうケースが多く見られます。
最近では患部にステロイド注射をするケースも増えています。
これは確かに効果が鋭く、その場で楽になる事が多いのですが、やはりこれも炎症を抑えているに過ぎません。
さらにステロイド注射は腱に負担をかけるため多くても2〜3回しか受けられないため、その後再発した場合は手術をすすめられます。
このように一般的な整形外科での腱鞘炎治療は、患部の炎症を抑えるだけなため、根本的な解決につながりづらいです。
世の中には様々な治療法がありますが、当院では腱鞘炎に対しての根本的な治療として「筋膜整体」を行なっています。
どのような治療であるかはまた別のコラムでお話ししようと思いますが、実際に今までどこに行っても良くならなかった腱鞘炎の方が多く改善されているため、「筋膜」はやはり根本的な原因であると感じています。
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執筆者
三軒茶屋α整体院 院長
山﨑 智史(やまざき さとし)
保有資格
理学療法士・鍼灸マッサージ師
講習会参加歴
・筋膜マニピュレーション国際コース 全コース修了(延300時間以上)
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